2019年2月24日GPPJ総会pdp講演会

ヒューマンスペース 川口佐智子さん
「自らのpotentialを最大限に生かすための空間設定」

司会進行:三原丞二

日時:2019年2月24日(日) 13:00−15:00
場所:メルパルク京都7F

<司会>
本日の講演は川口佐智子さんにお願いしました。川口さんはビーチ先生の片腕として40年以上にもわたり活躍されてきました。これまで世界中で200以上の診療スペースを設計され、現在もタイの新設大学設計でご多忙の中をおいでいただいたわけです。ビーチ先生は日本の歯科界に水平診療とタービンをもたらし、pdの原理や0コンセプトを生み出されたわけですが、あまりに多忙な生涯の中でまとめるという作業がありませんでした。この川口さんの講演を通じて我々の信じる理念からどのような話の輪が広がるか楽しみにしております。そして今日は川口さんのご講演に引き続いて、3名のpdpの先生方に各々のクリニックのpd環境についての小プレゼンテーションをお願いしております。川口さんにもそれにお付き合いいただいて様々なコメントをいただきたいと思います。この企画は皆さんと一緒に考えていく双方向のものです、是非ご意見をいただければありがたいと思います。それでは川口さん、よろしくお願い致します。

<川口さん>
こんにちは。それぞれの先生とお目にかかった機会はあったと思いますが、初めての方もいらっしゃるかもしれません。まず私自身の紹介をしたいと思います。歯科衛生士学校に入りました。一年間の授業でした。そして実習もありました。授業の時間も半年あり、実習が半年ありました。国家試験を受けて、3年制の歯科衛生士さんと同じ資格をもつ衛生士になれたのですが、ほぼ50年前です。中味は多分先生方が思いもおよばない実習だったと思います。私はそれからお仕事を探した時に、ビーチ先生のというわけではなくて、モリタで講習会をするからそのアシスタントがいる、その役割に就職しませんか、と声をかけられて面接を受け、なんとかパスをしました。その後ビーチ先生とお目にかかったのは、モリタのセールスマンとか歯科衛生士もしかりなのですが、新入社員の研修の場で、そのビルの上にあります研修室でスペースラインの説明をする勉強会に参加させてもらいました。その時にビーチ先生が質問されたことに、私なりの意固地な性格で食い下がった点が、どこにスピットンがいるかと言われて、それを繰り返しました。私が実習した時は先生方も衛生士も立位でした。座ってするということは発想にも及びませんでした。だから患者さんは座った状態でしか見たことがなかったのに、患者さんが横になっておられました。それからスピットンでうがいをするということは、起き上がるたびに器械を動かすか、ご本人に起き上がってもらうか、という発想だったので、場所がどこかと聞かれた時に、現在でもスピットンのついている器械はあります。だからそこにあったのですが、私たちが実習したスピットンとはサイズも違うし、ファンクションもちょっと違っていましたが、とりあえず、ビーチ先生が答えを導き出す答えとは程遠い答えをしたらしくて、延々と話し、言い争いでもないのですが、面白い子だな、と思われたそうです。それでまあ印象付けられたのは良かったのですが、そこから私の人生が始まったわけです。講習会に行きました。ビーチ先生の横で治療をします。ビーチ先生が治療されるのを手助けするわけですから、左手の役割それから材料、全部すぐそばまで持っていかなければならない。それを工夫していろいろやるのですが、いろんな指摘を受けて、それを話し合うチャンスを持ったおかげで、私が歯科衛生士の学校で学んだことは何の役にも立たない、という意識に囚われました。それから治療の内容に関しても、全部覆すような発想から始まるので、何のために一年間衛生士学校に行ったんやろう、と思いました。でも、ま、それが良かったんです。1から始め直そうと思いました。それでビーチ先生とご一緒にコースをしたり、もうひとつ大変だったのは、ビーチ先生のコースでは
ビーチ先生自身が患者さんの治療をしておられるのを、実習に参加されていた先生方にお見せしていたんですよ。そのために患者さんを募らないとだめなんですよ。患者さんを募るというのが一番大変でした。町へ出て、通りへ出て、それから友人・知人、とにかく集めるのが大変でした。それからその予後も大変です。良かったのか、悪かったのか、やはり何度も電話をかけてお伺いしたり、その中で一番喜ばれたのは、ここで言うのも何ですが、森田福男さんの娘さんの、今はもう成人されているでしょうが、みどりちゃんが小児歯科の時に患者さんになって、治療の後に、自分のお友達をいっぱい集められて連れてきてくださいました。ビーチ先生は治療している時に鼻歌まじりに歌歌ったり、そのうちにもう治療が終わっているんですよ。実に快適に治療が終わったらしいのです。そしたら皆連れて来るんですよ。ですから小児歯科に関しては子供の患者さんを募るのはそれほど苦労しませんでしたけれども、他は本当に大変でした。オクルーザルの充填とか、埋伏歯の治療まで5種類くらいをその場に集めるのです。そして1時間半くらいの間に5種類くらい全部の治療をしてたんです。で、その予後を衛生士がまかなっていたのですけれども、それについては患者さんから感謝の言葉を受けました。気持ちよく治療してもらって良かった、早かった。なるほどなぁ、これが実際ビーチ先生が治療されてる内容なんだな、というのを肝に銘じました。そういうことを目の当たりにしたおかげで、信頼をもつようになり、この先生に絶対に食らいついて行こうと思ったのです。衛生士の役割で食らいついて行っていたわけなんですが、次に私のところに回ってきたのは・・・

<スライド1>これは皆さんがご自分が歯牙の特徴を学ぶということをしたのですね。私は初めてこれで歯科衛生士学校に行って良かったな、と思いました。これを学んだおかげで、

<スライド2>これを作ることができました。これは所謂歯の特徴を備えた歯牙の形をチャートにするための基本の絵です。これを本当に何回も書き直し、やり直しをしました。それからこの歯の番号を入れますよね。これに01、02、03、と区分しましたね。あの番号を作る時にビーチ先生からいろいろ質問されて03、04、05、06、07、08まで、臼歯分と前歯分を分類するのを提案したのは私です。というのは00から99までどういうふうに使うか、本当に決めるのに何か月とかかりました。でも入れられたので、WHOに採用してもらいました。

<スライド3>で、これから後に、今日久保先生はお見えですよね。これはエンパイア歯科でお使いになっていたものを参考にして、この記入エリアとかこの裏面もそうなんですが、今は入れてませんが、これをコンパクトにするためにこの形にしました。

<スライド4>治療前と治療後に入れられるようになりました。そしてこの形状はHPIのフルマウスのマウントホルダーの形状にしました。これはたまたま黒のインクになっていますが、

<スライド5>ブルーにしようか、

<スライド6>グリーンにしようか、黒のままにしようか。まず鉛筆とかの記用具がたいがい黒とかグレーとかを使いますので、


<スライド7><スライド8> グリーンにしました。形はフィルムマウントと同じ形になりました。そしてこれはデジタルで記録する方法ですけど、過去のは白いラインだけ入れてました。ということは文言で入れていたのですが、デジタルに変わったのでこれを使うようになりました。ともかくビーチ先生にくらいついていろんなものを開発しました。これと、チャートとスケジュール表、アポイントメントブック、ヘルスケアパスポートというのがあります。今回はもってこなかったのですが、この部分に書く欄があるパスポートというのがあります。そのパスポートを利用して診査をして記録を起こして、その時の秘話を話してみます。パスポートの記録は0から5の番号を使っていますね。使っておられる先生方にはご理解いただけますよね。パスポート使っておられます?あの番号は0から5までしか使っていませんよね。それは意味があるようにしました。1の番号か5の番号かというと、5はやり直しですよね。ということはこの数値を計算して数値が高かったら患者さんに口腔の状態が良くはないですよ、とアドバイスできたのです。そしてトータルで数値が低かったら、あなたの健康状態はそこそこですよ。0が多い方は何もしなくていいわけですから、そういう風に示唆してたのですが、それぞれに意味を持たせてしまったので、そういう表現は患者さんには示せないですけれども。現在は患者さんにどういうふうに指示を提案されているのかは分かりませんけれども、とりあえず、そういうところから始めたのです。ということは患者さんに分かりやすく、その中身を理解していただくために、数値だけ見せただけでは理解していただけないと思って、数値の高い分だけ健康度が悪いのですよ、という意味も含めていたわけなんです。半年に一度検診に来られてその中身を検討していただくことが目的だったのです。で、先生方の中で現在スケジュール表とタイムポイントを使い、治療をされている先生は多いとは思うのですが、患者さんの数が多くて必ずしもタイムポイント通りに治療ができない、アポイントもとれない、という現状をよく耳にします。それは先生方が工夫すればできる、ということを私はビーチ先生から学んでいます。しかしこの場でそれを話しても仕方ないので、また機会がありましたらお話したいと思います。

<スライド9>この絵を見られたことがありますか。ビーチ先生が書かれた何かに載っていたような気がします。私はこれをいつも目につくところに置いて、ビーチ先生の教えを守るために、できるだけ仕事をする基本にしています。まずこの中で、こっち側はだいたいBeです。こっち側はDoです。ここら辺から、実際私たちの仕事が始まっています。これはビーチ先生が最初に教えてくださったことで大事な要素が含まれていると思います。皆さん、もう一度これを見直していただきたいと思います。で、私の役割はその後ビーチ先生にくっついて、所謂機械を作るモリタ製作所に行ったり、木工所など、すべての所にくっ付いて行きました。そしてそこで先生がそれぞれの職人や技術者に問いかけをされる時に記録を取ったり、それから寸法を測ったり、それぞれの人のサイズを測ったり、ま、記録をしたわけですけれども、

この絵は<スライド10>、私たまたま新聞で見つけたのですが、先生方が患者さんとお話なさる時、治療エリアでなさってませんか。治療のついでにそのままなさってませんか。このグループの中ではそれはまずないと思いますけれども。所謂対面して目と目が同じ高さ、そしてできるだけ障害物がない状態で対面できるということはビジネスの間でも、人とコミュニケーションする基本です。それを診療所の中に持ち込まれたのはビーチ先生です。

<スライド11>ただこういうセッティングは可能ですですけれども、これは患者さんと一緒に家族の方が来られるとか、同伴者が来られたりすると、やはり椅子はひとつではなくて2つになったり、それから対面と言われても診療所の中で、これは可能ですけれども、私たちが目指しているインフォメーション・エリアは少々違いがあると思います。まず、患者さんが歩く方向に向けて患者さんが自然に座っていただける場所、これが通路が反対場所にあったらこっち側に患者さんに座っていただく。簡単に患者さんだけで、誰の指示もなく座ってただける形状になっていたり、そのための足の形状になっていたりしました。そしてこの椅子の下に物入れを作ってます。という風にいろんな工夫がされてます。だから何でも可能性はあるわけですけれども、私たちがクリアしているデザインは少々違っています。人は座るか、寝るか、立つかの体勢の中の一部です。これでも治療はできるわけです。先生方が使われる器具をどこに持ってくるかで中身が違ってきますけれども。これはWHOのチェンマイのプロジェクトの時に、ビーチ先生が2週間の教育で、高校を卒業した学生に診査する、ta0 かta2の役割を担った人のシュミレーターで勉強された方が村へそれぞれ行かれます。このヘッドレストとこのトレイとインスツルメントを持って、所謂カゴなんですけれども、カゴの中に道具を入れてそしてバイクで地方の田舎に行かれて、そしてパスポートに記入した診査の結果がセンターに送られてきました。その時に、この高さの、日本でも昔ありましたよね<スライド12>、床机ですよね。

それを高くしただけで、ただ、今は使われていません。何故か、それは竹は虫が付きやすいので長くもたないので困ると言われて、只今のところは先生方が使われている会議用のテーブルですね、それを使っています。ただヘッドレストを付けるのは、違うやり方でやっておられますけど。一番基本の寝るにはこれで良いわけですよ。何故に歯科医療はあんなに波打ったものでないといかんのか、それは分かりません。で、私、つい最近、モリタの方がおられたら怒られそうですが、波打ったベッドが並んでますよね。あれは何故波打たないといけないのですか。それと患者さんが来られた時、セットして、背もたれが上がったり下りたりしますよね。今ここにおられる先生方のほとんどは、あれをお使いじゃないと思います。で、患者さんが来てこの高さに寝るのは全然苦痛じゃないです。お尻のここがコンタクトしたら横になるのは簡単です。コロンと寝たらいいだけですから。それをわざわざ低いところによっこらしょと掛けて、そして座って、回って低いところに寝かせてもらうのはいいのですが、上げて、おまけに頭の調節もしていただいて、波打っているおかげで、このヘッドレストは調節せざるを得ません。これは私が歯科衛生士の実習に行っている時、必ずヘッドレストを調節してからでないと患者さんを受け入れることができなかった。それに戻ってしまっているのですよ、50年前に。何ですか、これは。メーカーの方、ちょっと考えてみてください。わざわざ時間かけて、特別に作業のための準備をしなければならない変なデザイン、もうちょっと考えてください。それからこれは基本的に私なりの工夫です。


<スライド13>寝る、立っている人、座っている人、この絵をすべての図面に張り付けていきました。そしてスペースがきっちり合うかどうか調べたのです。これをビーチ先生が私に作れと言われたのです。それでコピーをして、シールにして図面を描いた後、必ずこれを張り付けていっていたのです。これは日本用、
<スライド14>これはアメリカ用です。サイズが違いますし、インチです。

<スライド15>で、こういうものを要求されながら、これは治療エリア、まずここから始まりますよね。先生が手の届くところに患者さんの頭がある。ここから始まって作業エリアを作り、先生が手を洗ったりする作業エリア、そして次に患者さんが来られて、出ていかれる、並べる順序が違っていますが、見たらわかると思いますが、この治療エリアの中のこの作業域が赤い色で塗ってあるところ、ここが全部上手くはまるような治療エリアのサイズです。ということはこれ以上はありません。これ以下もたぶん無理だと思います。これは実際先生方の治療エリアとしてお使いになっていると思います。これをわざわざ見せている理由は、ここに書いてあります。

<スライド16>また読んでください。茶道は厄介なものではなくてひとつのルールがあります。作法がルール通りに決まっていれば、何回も同じシステムで作業をしていたら、今度はその作業から外れることは苦痛になってきたり、それからルール違反ではなくて、その中で快適な気持ちになります。ということは自由なものを選択、Freedom of choice と Freedom from choice という言葉をビーチ先生から教わりました。というのは、もうどんどん話は外れていきます。

<スライド17>Beingと Doingの中のBeingはご自分の自宅で自由に過ごされる時に心地の良いことはご自分で決められます。ただDoingは世の中の流れでいろんな物が発展的にでてくると、どうしても使いたくなる、やってみたくなると思われがちですが、必ずBeingを考えて、この範囲をご自分の、それも体験した状態ですすめられていくのが望ましいと思います。誰かがやっているから一緒に乗ってやっていこう、これは少々違うと思います。できるだけご自分が体験したことで “良し”とすることをやっていただきたいと思います。これは今日すごく強調したいことです。

<スライド18>これビーチ先生の字、なつかしいと思いません?これで先生がステーションの番号を決められた基本の絵です。これを作らないとこの基本の番号が入れれないから、これをまず作ったのですよね。これを作るまでに、この人間の形の背中が曲がっているだの、頭の位置が悪いだの、足の形が悪いだの、位置だの、腕がちょっと足りないとか、もっと後ろもいるとかいろいろ注意されましたけれど、これはビーチ先生と話し合った、なつかしい絵です。で、この治療エリアのことを今日は主に話します。

<スライド19>これはモリタさんが決められたメジャーです。こちらから指示したこの位置関係からモリタさんがデザインした椅子があり、器機があり、それからライトが口腔内で、本当にシンプルなデザインです。そしてこのキャビネットもビーチ先生がデザインされたものです。もちろんここには高さもあるし、細かい点はこのメジャーが基本になっています。それぞれお持ちの診療所サイズによって少々これが長かったり、この長さを長くしたり、幅を大きくしたり、しかしこの基本だけは守らないと、中で自由にできないし、患者さんも快適でないし、それから先生自身も不備をきたすこともあります。それからつい最近、三明さんに言われたことがあります。インドでこの装置を使っておられる方から質問がきたそうです。太いアシスタントがいるので、この間隔をもう少し広くできませんかという質問がきたそうです。私は太い衛生士は雇うな、というのが私の答えでした。人間としての基準はそこそこあるじゃないですか。優秀な方かもしれませんが、何でわざわざ、そんな方いらない。これは冗談ですけど、差別したらいかんから。でも人間として手が届く範囲とか、一応規格決めてそこそこの太い方でも入れるように、大柄の方でも入れるように。私がここに座ったり、ビーチ先生がこちらに座ったり、それからMike Belenkyさんなんかもここに座り、ビーチ先生がここに座って、それとも寝てみたりして、そこそこ数値はクリアしてます。ということは西洋人、東洋人とか、ほとんどの人達が使えるようになってます。人間のサイズが、このごろ若い人たちは背の高い人たちとか横幅もしっかりした人たちがいらっしゃいますよね。だからそういう意味ではひょっとして将来もう少し広げていくことになるかもしれませんが、これが本当にミニマムです。ミニマムですからこれより小さいスペースで診療されてるとたぶんなにか不備があると思います。それに加えてほとんど余計なものがないはずです。どこかからワイヤーが出てくるとか、コードがでてくるとか、それもないはずです。ですから基本はこれです。それと先ほど、片岡先生でしたか、今衛生士学校で教えている時に、障子を知らない、私たちは何故ゆえに障子を使っているかと言うと、この治療エリアの頭の所にかなり強度な照明を使っています。その照明を利用して、この通路には何も照明を使っていません。と言うことはその照明を利用してこの通路にも影響を及ぼし、できるだけ透過性のある障子にした方が、それか透き通っているのは困りますけれども、ちょっと目隠しできるようなもので区分をされるといいんじゃないでしょうかね。でそういうことも含めて、私たちはすべての空間に意味付けをしています。これからお見せするのは、

<スライド20>これは機械が5台あります。そして受付があって、たぶん一番小さな空間です。で、この診療空間は2人のオペレータ、2人補助者、それから歯科衛生士も好ましいのは一人ですけれども、その診療所が長い間、その地域に患者さんから認められれば、衛生の範囲、ta0、1, 2が多くなると思うので、衛生士も2人おられる可能性もあります。それから技工士さんがおられる場所なんですけれども、技工士さんも先生、オペレーターに一人一人付かれてますけど、最近はオペレーター一人一人に付かないで外注されている場合があるから、ひょっとしてこの空間が小さくなる場合もあるかもしれませんけど、道具立てが大きくなったらこのままでも。でもこれが一番小さい範囲です。そしてトイレがあって、スタッフエリアがあって、只今のところはここの空間にはパノラマもセファロも入っていません。所謂デンタルサイズのX-rayだけです。ということは万が一それが通常に使われるようになったら、X-rayの部屋はもうひとつ多くなります。と言うのでエクストラスペースとしてこれだけ入れていただいてそして先生方の診療空間の、所謂、開業されて、長期に渡ってその場所におられたら、もっと可能性が広がるから、こういう治療エリアが6つあって、そしてインフォメーション・エリアが4つある診療所。今新大阪の山先生の診療所がそういう形状になっています。で、ここへビーチ先生が先ほどの絵の人をいちいち入れていく、何人の人がウロウロしても、何も注意しなくても2人は行き来できる。それから来られた患者さんもぶつかったり、避けたりしなくてもよい。

<スライド21>これがたぶんLタイプの最低の空間だと思います。ひとつ工夫があるのは、ここから入った患者さんがずっと奥に行かれてそのワンラインでI型で歩くのが望ましいと思います。スタッフが入っているのはここら辺だと思います。これはLタイプです。

これに関しては少々説明をしたいと思います。<スライド22>3台しかありません。そしてインフォメーションも2つです。あとは先ほどのと似てます。ということは、先生方によく訊かれるのですけれども、一人のオペレーターで、衛生士さんが一人いるという診療所、しかしアシスタントが何人いるのかと思うくらいいっぱいいる診療所があります。ここに数値が書いてあるのです。約35坪くらいあります。

<スライド23>で、前の診療所は<スライド22>、これはほぼ43坪です。一人用の診療空間の中に通路とかすべて入れると34坪と、この2人のオペレータがいる空間で45坪くらいです。でもこれに加えて、今この数値が先に行ってしまうのは恐ろしいことなんですけれども、だいたい2人の先生方に、こういう形状なのか、先ほどのLなのかまっすぐなのかの形状によって坪数が変わってきます。そこそこ2人の先生方が治療されて、レントゲンも入り、いろんなものが完璧に備わった状態なら、ほぼ50坪くらいはいります。でも先ほどの35坪と50坪では、先生方は質問されると思って、事前に用意したのですけれども、その差の中にオペレーターがすっぽり入れるわけですよ。ということはシェアーされれば50坪で十分なわけですけれども、ひとりだと、35坪覚悟しなければならないわけです。そうすると、今現在おひとりでやられている方でも35坪が十分かどうかそれはまた細かく詳細にお話したら、もう少し少なくなるかもしれない。例えばですよ、機械室がここにあります。小さいんですよ。でも機械室も例えば技工用のバキュームが大きいのがいるとか、パワーのあるコンプレッサーがいるとかすると、このサイズではとても使いきれません。だからそれを外に出すとか、エアコンが天井からきているのかとか、また別の装置を使うのとか、そういうことを含めていろいろ考えていると、必ずしもそのスペースだけでは使えてないと思うのですけれども。こんな風に空間を設定する目で判断するものよりも、きちっと個々にお話合いさせていただいて決める方が、先生方にとっても正直だと思うので、業者の方は先生の相談に乗られてお話合いをなさって、アドバイスをされるわけですけれども、そういうことを私たちは過去にやらせていただいていました。今回図面はあるのですけれども、タイのスラナリー大学の新規の学生の授業場のデザインもつい最近やらせていただいていました。ビーチ先生が提案された規格をほぼ載せられるようにセッティングはしてきました。しかし使われる方の中身、勉強とか気持ちとかが違うとその通り使われるかどうかわかりませんけれども、とりあえず、私の役割として終えてきました。そういうのは、先ほど先生に数をおっしゃっていただきましたが、大学とか、どこかの施設とか、いろんなところで、たぶん200くらいの診療所のデザインをさせていただきました。いろいろと問題を抱えながらお仕事はずっと続けているつもりなんですけれども、後へ伝えていく、それから先生方が今お持ちの施設、具体的に言うと、近藤木工所が作った家具がまだ未だに、何も問題なく使えているはずです。細々としたところは故障があるかもしれないから補修はされているとは思えども、先生方が、私も含めてですけれども、高齢になってこれから次世代に続けて行けなかった場合、その診療所だけは必ず残しておいてください。そして次世代に、先生方が楽しんで診療されたものを残してあげてください。その残し方なんですが、私なりの提案です。先生方にご子息や後継者がおられる場合はその方が引き継いでくださるでしょう。しかし血のつながっている親子関係、いろんな問題があると思います。私の提案です。2人用の診療所だったら先生方の後継者として4人呼んできてください。その時間はタイムポイントなりスケジュールで調整してください。というのは、一人の先生が自分の優秀な経験を若い方たちに1対1で伝えようとしたらどうしても上手く行かないと思います。反発があったり、そこに到達しなかったら、上から目線で物事を言ってみたり、そして若い先生はたぶんお手上げになっていなくなってしまう。それも可能性あると思います。ですから時間を工夫して4人の新しい方にそこで実践していただいて、そして運営は誰がするか、4つに分けるか、2人に分けるか、とにかくその施設は地域に根付いているはずですから、それに過去に作って下さった技術者の技術を残すためにも、先生方は必ず新しい方を採用されたりされるはずですけれども、アソシエートとしてではなくパートナーとして受け入れて、ビーチ先生が残された、先生方の医療者としての最低限の大切な内容を本当に心をこめて伝えてあげてください。そしてそれを残すことにできるだけ努力していただけるのが幸いだと思います。勉学に、コースに来られても、実際にそのものを持たれない方が、次来られても同じ状況に勉強がすすむとは決して思えません。だから環境もビーチ先生が提案されたE1, E2, E3 のトライアングルをバランス良く持続するために、やっぱり先生方もちょっと努力していただけたら、非常にありがたいと思います。もう後期高齢者の仲間入りをし、もうそろそろ人の名前がすぐでてきません。と言うことはもうそろそろ引き下がる時期だと思います。ちょっとまだ間に合う間にお手伝いできることがあればさせて下さい。

<司会>
ありがとうございます。とても貴重なお話をいただきました。特に継承問題となるとですね、私も含めてどう考えたらよいかとか、いろんな示唆をいただいたと思いますが、今のプレゼンテーションについてご質問でもあれば挙手いただけますでしょうか。せっかくですから、久保先生ちょっと一言いただければ。ちょっとこちらから紹介させていただいてよろしいでしょうか。先ほどもでてましたが、このOMUの設計というのは、大元は久保先生のおられた診療所がベースになってできたと聞いております。是非そういうお立場で、ご質問なりコメントをいただけたらありがいのですが。

<久保先生>
川口さん、貴重なお話をありがとうございました。お話を伺いながら、ビーチ先生が私のエンパイア歯科を約60年前に設計してくださったころを思いながらお話を伺っていたのですけれども、それがこうしてきちんと規格ができてそれだけの数が浸透しているということは、驚異的なご努力、敬意を表したいと思います。
<川口さん>
先生がこの本に書かれていたエンパイアを作られた時のお話が書いてあったことと、全く同じ状態で私はビーチ先生にくっ付いて行きました。これは貴重な本です。
<久保先生>
そうですか、ありがとうございます。私は本当に世界中で一番ラッキーなデンティストだと思うんですね。というのは、卒業、結婚、開業が同じ年で、今年で開業して55年目になる。それも全部ビーチ先生にお目にかかったからそれが始まったのですね。で、ビーチ先生にお目にかかったのも、偶然札幌で大学の5年生の頃にお目にかかって、そうしたら当時大学で学んでいることとアメリカでは30年の差があるとビーチ先生に言われたのですね。それがえらいショックでして、でそうこうしているうちにビーチ先生がこのスペースラインの考えでお作りになって、モデルを置くということで東京のエンパイア歯科を作ってくださったのです。それ以来ずっとやっておりますので、今年81になりますけれども、始めた時と同じような姿勢で普通に治療ができて、夕方になってもそんなに疲れない。昔の歯医者さんをみると皆こう肩が下がっていましたね。だけど、私はそれが初めから座ってやっていたものですからまだ続けられるし、顕微鏡ができてきたので、見えないということがなくなった。一番困るのは辞める理由が見つからない。見えないから辞めたいとも言えなくなっちゃって。顕微鏡ができて、ビーチ先生はかなり顕微鏡に対して批判的だったんですけれども、私はあれがきちっと規格化されればもっと姿勢が自然に正しくなると思う。顕微鏡を使う時は姿勢が正しくなければ絶対に覗けない訳ですから、そうするとpdのコースもその辺から入るアプローチもあってもいいのではないか、と考えています。ビーチ先生は顕微鏡に対して「お前は何%診療に使うか」と言うので「私は100%使っている」、そしたら「見に行きましょう」と。それでいろいろ検討されていて「でも、ちょっとなぁ~」というお考えだったようですけれども、でもこれからはやはり正確に見ることが手の運動の支配につながると思います。ともかく、何もなかったところからビーチ先生のシステムがこれだけ広がっているということは、本当にありがたいことです。私もそろそろリタイヤの時期ですけれども、陰ながら皆様方の活動を支えるお手伝いができればと考えております。どうぞよろしくお願い致します。ありがとうございました。

<司会>
ありがとうございます。川口さん、何かコメントはないですか?
<川口さん>
久保先生、顕微鏡は固定式になっているじゃないですか。あれはwearable ご自分の体で眼鏡状態のように作られたら、pdはそのまま守られるような気がします。でも顕微鏡のおかげで角度が違うじゃないですか。ご自分の体の角度も違うし、それは業者の方に是非とも伝えてください。
<久保先生>
はい。
<司会>
診療所の中には技術の進歩に伴っていろんなものが発生します。マイクロスコープもそうだとは思うのですが、まだまだサイズとしても進化しきってないのかもしれないし、将来的に、ビーチ先生はおそらく100年後、200年後を考えて作られたのだと思います。是非ともそういう視点で見ていただきたいと思います。まだ十分時間がありますので、他の先生方、ご質問なり、、、、小佐々先生どうぞ。

<小佐々晴夫先生>
川口さん、ありがとうございました。私も久保先生の一級後輩ですが、まだ週40時間、週休2日で、朝9時からだいたい夜9時くらいまで、そういう毎日をいまだにやれている。それはひとつはpdということもありますし、その環境の中でずっとやっているからあまり疲れというのは感じない。それも非常に良かったと思います。川口さんに是非お話いただきたいのは、その診療所の中でミニマムのスタッフ8人、ステーションのことがとても大事だと思うのです。その話を是非、環境の話の中でステーションのことを知らない人たちに、ステーションの大事さということを是非お話いただければと思います。
<川口さん>
ご質問分かるのですけれども、ステーションの話をしだすと止まらないのですよ。一つ一つのエリアにつき、それこそ私たち働いている人間で、100の質問を作ったのです。このデザインはどうしてこの形になっているか、とか、この位置は何故この位置なのか、とか、高さは何故この高さなのか、説明をしているとめちゃくちゃ長くなるのです。だから具体的にどこの、っていうふうに言っていただく方が、私にとっては無難です。治療エリア?

<小佐々先生>
治療エリアでもいいのですが、ともかくステーションという、それぞれのスタッフがいつも持っているということが、とても組織にとっては大事だと思います。特に治療エリアでもいいし、、、
<川口さん>
はい、分かりました。それでは先ほどの治療エリアに戻しましょうね。
<司会>
小佐々先生がおっしゃっているのは、居場所と言う意味のステーションですね。ここですね。
<小佐々先生>
それと人間工学的なもの、人の動きとかそういったことですね。
<川口さん>
このオペレーターは只今のところは、真後ろの位置にいますけれど自由に動きますよね。オペレーターの位置がそのステーションの位置なんですよね。インスツルメントがトレイでこの手の届くところにきます。でこれがオペレーターの1ですよね。そしてこの人がここから入ってきて、ここに腰かけるまでにここで手洗いします。そしてここに着きます。で、この距離とこの椅子が回転することによって、今はほとんどオペレター・ストールはこっち向いていますけれど、私たちアシスタントしている時は椅子は先生が来られるまでは、その方角はこっちに向けていたのです。で、先生が手を洗われてここに着席されて、そしてご自分でこっち向いて治療が始まった。そして患者さんはここからご自分で入られます。だからトレイが座られる位置に邪魔にならないようにこの距離間が大事なのです。そしてここも大事なのです。近づき過ぎると触ってしまうし、時にはハンドピースなどを落としてしまうこともありますから。ですからこの空間とこの空間、そしてこれは座って治療するステーションで、ここに人が立ってます。例えば患者さんが入れたクラウンなどを実際に指摘された時に、患者さんを起こして先生が見たい場合があるはずです。そのステーションがこれです。患者さんは起き上がり、こっち向いて座っていただいて、オペレーターがこちらに来て観察します。そのためのステーションです。で、オペレーターはこのステーションとこのステーションがあります。患者さんはここから来られて、勝手に入って横になられる、という風になってますけれども、その前に、アシスタントは必ず待機してます。で、ここで待機し、そして時には治療の材料を練和したり準備したりするのがこの場所です。そしてここに引き出しがあって、この引き出しのカーブが所謂アシスタントが物を保持して練和するための場所です。そのためにちょっと出っ張っています。この表面の下側をのぞいていただくと、テーパ、カーブがついています。その理由はこのアシスタントが引き出しを開閉する時に、どの引き出しの何を取り出すのか見やすいようにちょっとテーパーがついています。細かい点を言いますと、本当に細かい工夫がこのキャビネットの中にはされています。これがアシスタントの場所です。で、アシスタントは患者さんが出入りされる時は必ずここに着席して患者さんの、横になられた体をちょっと起こしたりお手伝いしたり、そして治療後に口の周りに何かついてないか確認したりするのがこの場所です。この動きが、先ほど言いましたが、太り過ぎていたり、大きい人が入りにくい、とかの文句はほぼないはずです。でもまあ、いろんな理由があって、ちょっと広いほうがいいとか言われる場合もあるかもしれませんが、しかし、このオペレーターが時にはひとりになられたら、ここのキャビネットの引き出しを開けられてちょっと作業されたり、例えばですね、オーソドンティックスの治療の時に、ここにものが入っています。それをご自分で調節したり、出したりされることが時にあります。そうするとこのオペレーティング・スツールをくるっとこっちに向けて座ったままで作業できる、この距離間です。そして物を練和するのも、この方が一人の時に引き出しを開けて物が取れる距離。だからこの距離が大きすぎず、少なすぎもなくしていただかないと、この空間は使えません。で、ステーションとエリアにはすべて番号がついているのです。こういことを私たちは過去にしつこく書き留めましたので、そのリストあるはずです。探してみます。そしてそれを皆さんで検討してみてください。あとからつける、例えばですね、いろんな器具類が来た場合は、それはいったいどこにつけるのか、そして患者さんの出入りには邪魔にならないように、オペレーターの治療の弊害にもならないように、それを考慮してできれば業者の方はつけていただいたらいいかと思います。そんなんでよろしいでしょうか。
<小佐々先生>
はい、ありがとうございました。
<川口さん>
そして、me1、ここまでがme1なんです。受付員のエリアもme1です。でme3は治療エリアです。で、インフォメーションのエリアがme2になっています。というふうにビーチ先生はきちっと、すべて名称をつけておられます。先生方も興味をお持ちになったら、できればこれを検討してください。そうしますと、診療空間に何が要って何が足りないか、今後増やすのは何か、減らすのは何がいいかなど、考えていただけると思います。
<司会>
ありがとうございました。後のプレゼンテーションで木村先生がOMUの診療所の具体的な写真をお出しいただけると思います。その時に川口さんにまたご指摘いただければと思います。
他にご質問ございませんでしょうか。

<住吉先生>
診療エリアで患者さんの足元側の壁が、10㎝足元側に狭かった場合、
<川口さん>
どこですか?元に戻しますのでちょっと待ってください。
<住吉先生>
そこの外側の壁(右端)がこっちに少しずれた場合は何か弊害はあるでしょうか。
<川口さん>
患者さんが足が延ばせず、足を折って寝ないとだめじゃないですか。
<住吉先生>
ベッドサイズで、日本人の普通の方であれば、そのくらいで収まるかと思います。
<川口さん>
足出るくらいになりますよ、もうホント、ギリギリですよ。治療エリアが狭いということですか。長さが足りない?
<住吉先生>
なるべくキチキチにしようとして、、、
<川口さん>
あのね、壁汚れます。まあ、靴を脱がれるのだったら、スリッパに履き替えたりされるんだったらいいですが、壁汚れます。それと横になっている時にどこかに何か触れていると、何となく気になりますでしょ。だからやっぱり患者さんにも不利にならないようにしていただけるのが望ましいと思います。足りないのですかスペースが。
<住吉先生>
なるべくコンパクトにしたいなと思って。
<川口さん>
これ、一番コンパクトですよ。例えばでね、私が工夫したのは、タイの学校で違う機械が入っているのです、治療エリアに。それがね、これはまっすぐ上がりますけど、まっすぐ上下しますから患者さんが寝てる状態で足が動くことはないのですけれど、その新しい、よそのメーカーの機械は、ズズズズっと斜めに上がってくるのです。そうしたらヘッドがこの位置くらいまで来るのです。ですからここのスペースを工夫しました。長いことかかりました。だからこっちを優先して、こっちをいっぱい開けてます。それとこの全体を20㎝延ばしました。勝手にだまって延ばしました。でないとスペースが足りなくなるのです。だからこの規格はミニマムです。これより少ないのはちょっと無理だと思います。

<司会>
いつも設計する時には我々現実というのが目の前にあるのですけれども、川口さんのお話を聞いて、やっぱり譲れない現実、決まったルールというのがある。そういうのを考えた方が長い目で見ると、幸せな人生が送れると思います。
セティシャイ先生どうぞ。

<セティシャイ先生>
いつも川口さんと一緒にタイに行ったり、この10何年間一緒に仕事をしてきたのですけれども、向こうでいつも同じ質問を繰り返し訊かれるのですよね。例えば、アシスタントの座っている椅子があるのですけど、少し斜めに座りますよね。で、その時足がドクターの足とぶつかる。どこまで許容するか、それがひとつです。それからもうひとつ、足の短いアシスタント、特に日本の場合よくあります。足が短いとどうするか。座ると宙に浮いてしまうのですよね。底の厚いサンダルや靴を履いたりするのですが、その辺川口さんが今までたくさん質問を受けてこられたと思うのですが、直接アドバイスなどしていただいていいですか。
<川口さん>
アシスタントの体格を選んでください。確かによく言われます。先生方も小柄な方がおられて、特にタイに行った時感じます。それと気の毒な点が器機が優先してます。幸いにしてこの器機を使われてない方が多いので、足がプラプラしている人が中にはいます。それをどう解決されるかは、先ほど言われたように、底厚の靴を履かれるとか、オペレーター・スツールの下に滑車がついてますね、あの滑車のところに足を乗せて治療されているのを見かけます。ということはある程度そこそこのサイズの中間を選んで作っている訳ですけど、特に大きい方、特に小さい方、それを工夫しろというのはなかなか難しいし、私の方がいいわけするのはまずいので、例えば、子供さんが来られた時に、歯ブラシ使うときの流しの高さが高い場合どうしたらよいかというと、箱を持ってきてそこに乗っかってもらってそれを利用してもらうとか、のそういう工夫が必要な時があると思います。オペレーター自身の足がプラプラしている人はたぶん安定したpdの治療はできないと思うので、所謂体形が異なってくるので、たぶん底厚の靴をはいていただくしかないと思います。それでよろしいですか。
<木村先生>
今東京モリタにpdルームというのができまして、そこのアシスタント・スツールは上下がコントロールできるようになっています。それは許容なのかなというのが一つの質問です。上下に関しては移動がないので、僕は同じ高さを使うし、アシスタントもたぶんそうなので、足の長さというのがあっての意味だと思うのですが、アシスタント・スツールにも同じような取っ手がついて、押すと上に上がるような、上下できるような形にされているんです。僕はOMUで後で発表するんですが、最初の頃31年前のOMUは衛生士エリアにアシスタント・スツールがありませんでしたよね。今は衛生士面で充実していて、僕は衛生士にアシスタントをつけていたので、無理にあそこに古いアシスタント・スツールを設定したんですよ。今後は必要だと思うのですが、あの時にも衛生士もpdで治療しようという話があったと思うので、アシスタント・スツールをつけなかった理由は何かあったのですか?
<川口さん>
衛生士はウルトラソニック使っていたらバキュームを手伝ってくれるアシスタントがいると非常に有効です。それは望ましいと思います。だから万が一オペレーター・スツールの調節よりも、こういう三角のプラットフォームは簡単に取り付けられますから、それを取り付けられて、オペレーティング・スツールの滑車をはずしてしまって、そこにこれを乗せていただくのが一番望ましいのではないでしょうか。