【患】の字

【患者】は英語では【patient】で 忍耐強い、耐えているという意味の単語です。
そして【病気】は【disease】です。この単語を分解すると、dis + easeから成っています。つまり心身ともに楽ではない状態が目に浮かびます。
一方、患者とはどんな状態かを、上手に目に浮かぶような説明をされた方がいらっしゃいます。
『患者とは二つの口(肉体)も串に刺され、心(精神)まで貫通された者である』
口も二重に刺されているわけですから、自分の病状さえもうまく訴えることができない状態です。
病気の程度や自覚症状の有無により異なるのでしょうが、とてもリアルに生々しく感じさせられます。
しかし、誰が串を刺したのだろうかとふと疑問が湧いてきます。串とは病気の原因です。無数に考えられます。
まず患者さん自身の串をいえば、例えば生活習慣、不注意不慮、誤った知識などです。
患者さん以外の串は病原体、悪条件の衣食住、医療不備不全(医原性疾患)など様々です。
たまたま【患】の字に私たち、歯科の分野でもある口が二つも刺されています。なぜ2つあるのかは謎です。そして串とはまな板のような平らなところで使う普通の料理道具のひとつです。私たちの歯科の分野でも串のような細長い器具がたくさんあります。しかし、平らなところではなく、光が届かず見づらい洞窟のような口の中に器具を入れ、0.1mmの誤差も許されない精密な作業をするわけですから、様々な形のものがデザインされ、市場に数多く出回っています。
ところが、その機器はどのような根拠に基づいてデザインされているのかは、あまり知られていません。デザインが悪ければ、患者の治療だけでなく、術者である私たち歯科医療従事者の健康にも悪影響を及ぼします。
歯科の歴史は古く、中世ヨーロッパの床屋外科(医)から始まります。現在のように人工光がなく、主に太陽光に頼っていました。どうしても見えないところがあったため、まず窓に向かって患者さんを椅子に座らせ、歯科医が患者さんの右横に立って、姿勢を崩し覗き込んで治療に当たっていました。その治療スタイルが、DNAのように現代の椅子タイプの診療台や、それに合った器具のデザインに当たり前のように引き継がれてきました。
現在の歯科医は、必然的にその機器に合わせて無理な姿勢を続けながら、治療を行うことになります。その姿はすっかり定着していますが、自然光に頼らなくなった現代でも引き継がれていることは不自然です。私たちはそのスタイルを機器中心的(Machine Centered)と呼びます。いつしか歯科医の診療室は、機器(Machine)に囲まれ、支配されるようになってきました。不自然な姿勢のままで行う処置は、一歩間違えば、医療機器自体が本当の串になりかねません。治療が思うようにいかない葛藤の中で、再び新しい機器やアイデアに救いを求めてさまようことになります。無論、この悪循環でも質の高い治療を維持している歯科医の先生方もいらっしゃいます。しかしながら、機器中心的な環境が潜在能力をフルに引き出せない阻害要因となったり、肉体的・精神的・時間的にも継続することが難しくさせたりする可能性があります。また、家族や周囲の方々に先生自身の健康について心配させることになるかもしれません。
一方、私たちの日常生活の中でも、姿勢はとても大切な要素のひとつです。親や学校の先生から、何度も注意された経験は、どなたにもあるはずです。まっすぐ座り、字を書いたり、読書したりしなさいといわれたことはありませんか?歯科医療の現場も同様です。
精密な治療をするためには、まず患者が、一般外科の手術台(オぺレーティングテーブル)と同じように完全に仰向けになり、術者が患者の頭の後方に座って力を抜き、バランスよく、背筋を伸ばします。直接見えない口の奥深くを無理に覗き込まず、ミラーを上手に用いて隅から隅まで反射させて見ます。ミラーが曇り、濡れても、巧みに操作しながら、高速回転の器具を過不足なしの0.1mmの正確さでコントロールし、歯牙切削充填などの処置をしていくことが、最小限の必須条件です。

姿勢が変われば、機器の形も変わるはずです。従って、このスタイルに合った機器にデザインしなおす必要が出てきます。ただし、今度は中世ヨーロッパ時代のように光に惑わされず、正しい姿勢を保ったときの術者の身体の骨格、筋肉、関節等の解剖学及び様々な知覚を含む生理学を優先要素として考慮しなければなりません。このような基本基盤にデザインされた機器や処置を人間中心的(Human Centered)と呼びます。
歯科医師はこの人間中心的(Human Centered)に導き出された機器をムリ、ムラ、ムダ、ムジュンなく用いてはじめて、患者さんに対し、正しい姿勢を保ったまま、最高品質の治療を継続的に提供することができます。そうすることで、二つの口と心から【串】を抜き、病から患者さんを真に解放することができるのです。

私たちはGEPEC(Global Engineering Promotion and Education Collaborative)とともに、患者さんの健康を願って微力ながら、歯科医療従事者、関係団体、患者さんにその知識や方法を広められるよう、日常の診療の傍ら日々活動しています。

pd(proprioceptive derivation)

pd(proprioceptive derivation)とは、proprioception(固有感覚受容)という生理学用語を基にDr.Beachが提唱されたものであり、pdは人間の固有感覚受容を元に、健康の維持あるいは修復するために医療従事者が行う全ての行為と、それに使用する全ての機能物を評価するベースとなるものです。(proprioception:固有感覚受容器は、弾性組織の伸展に反応する感覚神経終末であり、主として筋肉、関節、腱、内耳の平衡器官に存在している。)

Dr.BEACHは、1950年代半ばに来日して以来、高速ハンドピースや診療チームの導入に始まり、水平診療台や数字用語など、歯科医療における様々なシステムを開発されました。それらを統合する基盤として、1980年代に、pd(固有感覚による演繹)0コンセプトという語が生まれました。晩年のDr.Beachは、臨床スキルのロジックと0コンセプトに基づく数字用語を導入する事によって、医療のグローバル化を図ることに専念されていました。(Dr Daryl R. Beach: Feb 19260 – Oct 2016)

NPO法人ジーピープログラムジャパンについて

NPO法人ジーピープログラム・ジャパンはそれまでの学術団体である APLO と規格診療所グループであるOMUA の組織を引き継ぐ形で発足いたしました。
2002年10月に設立総会を開催、同月末に大阪府庁へNPO法人認可届出を行いました。2003年2月14日大阪府庁より認可の通知をいただき、所定の手続きの上、2月27日、法務局に法人登記を済ませました(内閣府NPOホームページ)。特に、NPO 法人 GEPEC(2005 年創設、共同創設者: Dr Beach 、Dr Dougherty ) 設立後は、GEPEC 日本支部という立場を保ちつつ、広く歯科医師から一般市民を対象に「pd」と「0 コンセプト」の普及に努めてまいりました。
ジーピー・プログラム・ジャパンという名称は一般の方には意味が難解なので、その後、当会の活動目的そのものを反映した「pd普及の会」を通称として活動する事にいたしました。

役員(2020年3月1日現在)

理事長 三原丞二
副理事長 セティシャイ オパーシャイタツ
専務理事 越智 豊
常務理事 前村 学
理事 木村守隆  中村 功

橋岡 優    塙 由紀子

三明幸江  三島賢郎

監事 黒岩保文  小佐々晴夫

閲覧書類等(NPO法人ポータルサイト)

内閣府のNPO法人に関するデータベースは、所轄庁に提出された書類の反映までに時間がかかる場合があります。御了承ください。

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