副理事長 セティシャイ オパーシャイタッ
1954年生まれ、タイ国ペットブリー県出身 1980年卒 湯河原町開業医

42年も前のことです。国費留学生だった私は、大学卒業・歯科医師免許取得と同時に、法務省から帰国を促されていました。当時、私は自分の技術に強い危機感を持っており、このまま帰るわけにはいかないと思っていました。日本に留学までしたのに、自信を持って、患者さんの歯を削ることも、抜くこともできなかったのです。私は、技術を身につけようと医局に残りました。しかし医局では、あくまで見よう見まね等の自主研修が中心で、経験不足という焦りは募るばかりでした。そんな時、熱海市にあったHuman Performance Institute, HPI(民間研究所)に出会いました。大学では教えてもらえないあらゆる技術や考え方(pd、0コンセプト、論理学等)がそこにはありました。この出会いは、カルチャーショック以上の興奮をもたらし、今でも冷めやらぬものとなりました。振り返ると、在学中の6年間は知識の詰め込みだけに終始していました。歯科の手作業については研修が全く足りていなかったのです。現在1年間の卒後研修制度もできましたが、実際に臨床経験を積む場となっていないのが実情であり、最近研修を修了の方々からも悩みの声を聞いています。その行き詰まりの裏には、歯学の長い歴史に隠された過ちがあります。私たちは、その過ちに気づかないまま教育を受けてきたのです。それに気づいたのがビーチ先生です。pdpはその「気づき」に基づいています。pdpを通じて、私の感じたような興奮を、多くの先生方に感じ取っていただけたら、これ以上ない幸せです。微力ですが、頑張っていきたいと思います。