日本にあるHPI研究所で、Daryl Beach 氏が歯科用語の数字化を提唱したのは、今から10年前、1979年の事でした。氏は、それまで一般に使われていた解剖学用語や歯列の模式図などに代わって、それらを全て包括した数字用語の必要性を説き、その開発を進めてゆきました。
1980年からは、WHO(世界保健機関)の場で検討が加えられることとなり、以来国際的に注目されてきました。氏は開発に当たって次のように述べています。
「なぜ、HPIのような小さな組織が、このような模索をしているのでしょうか。それは、HPIが開発してきたり、定義してきたことが世界的な規模で検討されることになるからです。すでにWHOもWHOの規格として採用を決めたものもあります。 その様な場合、単にWHOとHPIの関係だけでなく、WHOと世界の国々又は地球共同体との関係において、最も深刻な問題は、コミュニケ-ションギャップです。
特に規格のように細かい点まで正確さが要求される場合、全ての人が母国語をもとにコミュニケ-トすることには無理があります。その為、母国語に代わるものとして、テクノロジ-の中核となる言語の必要性が生まれるのです。」
この中核となる言語として氏は数字を用いたのです。
さて、こうして開発されて来た数字用語も、すでに10年の歳月を経、その間世界各地の歯科医グル-プにより検討され、より充実してまいりました。 そこで、この度、広く世界に向け、この成果を公表すべく本稿を発刊することになりました。
何事も地球単位で問題解決にあたらねばならない今日、この数字用語システムが、世界のヘルスケアを一つに結ぶ強い絆となることを願ってやみません。 拙稿ではありますが、本マニュアルがその一助となれば幸いです。
1989年11月4日
HPI研究所スタッフ一同
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